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預金金利の自由化は、必然的に銀行にとって調達コストの上昇をもたらしました。
米銀は、利鞘の大きい個人金融業務を強化したり、外国為替や債券のディーリングに注力するなど様々な手段で、コストの上昇に対応しています。
なかには、バンカースートラストのように、支店の大部分を売却して、大企業や機関投資家との取引など大口金融取引に特化する銀行も現われました。
②業務の自由化 米国では銀行の業務の自由化は、預金金利の自由化ほど進んでいません。
一九三〇年代以降、金融制度の大幅な変更は行なわれませんでした。
八〇年代に入ってから、これまでにたびたび銀行・証券の兼営を認める金融制度改革法案が国会に提出されましたが、関係業界の利害の対立などから成立するには至りませんでした。
しかし、実際には、銀行に対する証券業務の認可は着実に進んで欧米の金融制度と銀行います。
グラスースティーガル法は、銀行が「主として」証券業務を行なう会社と系列関係に入ることを禁止していますが、FRBは証券業務からの収入が主とならない範囲で、銀行持株会社の証券子会社(銀行にとっては兄弟会社)での業務を、八七年以降段階的に認めてきています。
出金融制度 ①英国型ユニバーサルーバンキング 英国では従来から、銀行が証券業務を営むことを禁止する法規制は存在しませんでした。
しかし実際には、商業銀行は専ら銀行業務に特化した業務展開を行なう一方、いわゆるマーチャントーバンクが有価証券の引受業務を担い、証券の流通については、自己勘定による有価証券の売買を専業とするジョバーや顧客の注文をジョバーに取り次ぐブローカーが存在するなど、銀行・証券の棲み分けがなされていました。
こうした事実上の銀・証分離は、六〇年代にすでに、商業銀行が子会社を通じてマーチャントーバンキング業務への参入を進めた結果崩れていました。
その後、八六年のロンドン証券取引所の大改革(「ビッグーバン」)をきっかけとして、商業銀行やマーチャントーバンクによる証券子会社の設立が相次ぎ、銀行グループ全体として銀行・証券両業務を広範囲に営む英国型ユニバーサルーバンキングが実現しています。
②銀行監督の整備 英国には七〇年代末まで銀行の規制・監督に関する包括的な法律は存在せず、七九年にはじめて、預金取り扱い機関の免許制の導入や預金保険制度の創設等を柱とする銀行法が制定されました。
その後、八七年に銀行法の改正が行なわれ、イングランド銀行が全ての銀行を直接的な監督下に置く体制が確立されました。
また、八六年に制定された金融サービス法によって、証券業務や投資信託業務等についての規制・監督は貿易産業大臣のほか、貿易産業大臣から権限を委譲された証券投資委員会(SIB)とSIBから承認された自主規制団体(SRO)によって行なわれるようになりました。
英国の主な金融機関として、商業銀行、マーチャントーバンク、建築組合、国民貯蓄銀行などがあります。
欧米の金融制度と銀行 ①商業銀行 ロンドンやスコットランドの手形交換所に加盟し、クリアワンダーバンクと呼ばれる銀行がその代表です。
短期金融中心の業務展開から、中長期金融等への業務の多角化が進んでいます。
なかでも、四大銀行といわれるナショナルーウェストミンスター銀行、バークレイズ銀行、ミッドランド銀行、ロイズ銀行はそれぞれ二千を超える支店を全国規模で展開しています。
②マーチャントーバンク 英国独特の事業金融機関で、証券市場における発行・引受業務、シンジケートーローンの組成、企業合併・提携の仲介業務等、ホールセール業務を主な業務としています。
③建築組合 建築組合法に基づく住宅金融専門の金融機関であり、主として出資金の形で大衆から資金を調達し、住宅抵当貸付により運用しています。
建築組合は個人の預貯金の約五〇%を占めており、個人金融の分野でクリアワンダーバンク等の商業銀行と激しい競争を行なっています。
④国民貯蓄銀行 全国の二万以上の郵便局を窓口とする国有の金融機関です。
英国にはこのほか、外国銀行の現地法人や支店が多数活動しています。
倒金融の自由化 英国では従来から預金金利についての法的規制はありませんでしたが、七一年にそれまでの銀行間の市中預貸金金利協定が廃止され、実質的な自由化が開始されました。
七〇年代は大口定期預金金利の自由化が中心でした。
八〇年代に入って、各銀行が新商品を導入することにより個人向けの当座預金の金利自由化が進行し、八四年には流動性預金を含めた預金金利の実質的な自由化が完了しました。
②業務の自由化 英国では、「ビッグーバン」と呼ばれる八六年の証券取引所の大改革の結果として、子会社を通じたユニバーサルーバンキングが確立しました。
ビッグーバンは売買取引の活性化、競争の促進や国際化の推進等を目的としており、改革の主な内容としては、証券売買委託手数料の自由化、ジョバーとブローカーの分離制度の廃止、証券取引所会員会社に対する非会員の出資制限の撤廃などがあげられます。
こうした改革の結果、クリアリングーバンクやマーチャントーバンクによる子会社を通じた証券流通市場への進出が活発化しました。
金融制度 ドイツ(旧西ドイツ、以下同じ)の金融制度の大きな特徴は、一つの金融機関が銀行業務と証券業務をともに取り扱うユニバーサルーバンキングが採られていることです。
ドイツの銀行は本体で証券業務を営んでいます。
もう一つの特徴として、系統化されている公的な金融機関のウェイトが高いことがあります。
貯蓄銀行のほとんどは公営です。
また、信用協同組合は民間金融機関ですが、上部機関であるドイツ協同組合銀行は公的機関として位置付けられています。
貯蓄銀行と信用協同組合は上部機関によって統括され、全体としてピラミッド型の資金集中機構を形成しています。
金融機関を監督する中央機関として、独立した監督官庁である連邦銀行監督局があり、信用組織法(銀行法)に規定される金融機関(信用銀行、貯蓄銀行、信用協同組合など)の監督を行なっています。
圈金融機関の種類 ドイツの金融機関は、信用銀行、貯蓄銀行、信用協同組合、特殊銀行の四つに大別されます。
このうち特殊銀行を除く三つは銀行業務と証券業務を幅広く行なっています。
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